映画『アラジン』:ジャスミンにイラついた話
こんにちは。金絲猴です。
先日、実写版の『アラジン』をTOHOシネマズ新宿で鑑賞してきました。1200円で。
毎月14日は、TOHOシネマズデイといって、誰でも1200円で映画が見られるのでお勧めです!
『アラジン』、総じて良かったです。実は、アニメ版を見たことがなく、実写版ではじめて『アラジン』を見たのですが、とてもよかった。
まずジャスミンがかわいい。そして歌声が素晴らしい。映画鑑賞後、すぐにサウンドトラックをダウンロードさせていただきました。
音楽だけでなく、映像や演出もファンタスティック。
映画を見るときって、さっきおしっこしたのに、また尿意をもよおすかもという心配がいつもついて回るんですけど、この映画はそれを完全に忘れさせてくれました。
それほど素晴らしい映画でした。
ただ。いやただね。映画は良かったんだけども、そこに出てくるジャスミンの行動や性格に、私イラつかされてしまったんです。
ネタバレにすらならない些細なことなんですけど、映画の冒頭、ジャスミンとアラジンが出会うシーンがあります。そのシーンの内容が次です。
王女であることを隠し、市場に赴いたジャスミンは、おなかをすかせた子どもたちを見て、そばにあったパンをとって、その子たちに与えます。
しかし、それは売り物。パンを売る主人はジャスミンにお代を求めます。お金を何も持っていないジャスミン。困っていると、アラジン登場。アラジンはジャスミンのブレスレットを外し、主人にお代の代わりとして渡します。
さすが王家の装飾品。そうとは知らない人間でもその価値くらいは分かります。主人はそれを受け取り満足そう。
ところが、その場から離れたアラジンの手には、先ほど主人に渡したはずのブレスレットが。アラジンは盗みの達人だったのです。
とまあ、こんな感じ。この短いシーンに僕はとってもムカつきました。原因はジャスミンの行動です。
ジャスミンはおなかをすかせた子どもたちに、その辺に売ってあったパンを勝手にとって与えたのです。
このパン屋がものすごい悪い金持ちで、ジャスミンが鼠小僧治郎吉のような義賊だったら全然いいですよ。拍手あげますよ。
でもね。このパン屋は金持ちでないことは察せられるし、悪いやつであることはこのシーンまでから判断できません。
つまり、ジャスミンは人のものを勝手に奪い、それを慈善のために使ったのです。本末転倒じゃん。
人を助けるためなら、人のものを奪っていいのか?
ぜいたくな暮らしをしているくせに、自分の身を切らず人のもので善意を尽くそうとしていることは道徳にもとるものではなのか?
そもそも、生活に困る子供たちがいるのも、お前ら王族がぜいたくな暮らしをし、悪政をしいているからではないのか?
このようなことに、ジャスミンは無自覚なのです。マジでムカつきます。
この後、ストーリーが進んでいくのですが、ジャスミンがこれらのことについて、自覚することはついぞありませんでした。とっても残念です。
結果的に、この映画はエンタメとしてはいいけども、僕にとっては胸糞の悪い映画でした。