ミラノにてトイレに閉じ込められるの巻
こんにちは。金絲猴です。
今日はミラノに1人で旅行に行った時の話を一つ。
初めてのイタリア。天気も良くて最高の旅行日和。
午前中スフォルツェスコ城などを観光して、おなかが減ってきたころです。
ちょうどそんなに高そうじゃない、名もなき(←忘れただけ)庶民的なレストランがあったので入りました。
店内はこんな感じ。雑におかれた肉塊がなんだか異国感を醸し出しています。
地元感がすごく強いお店で、店員もおじちゃんおばちゃんばっかり。英語もそんなに話しません。こういうとこで食べるのも悪くありません。
ここで僕はカルボナーラをたのみました。初めてのイタリア。本場のカルボを食らいたくなったのです。値段は6ユーロくらい。安い方です。
しばらくするとカルボがやってきました。
まさかのぶっといパスタ。スパゲッティかと思ったわ。まあカルボにもいろいろあっていいと思います。
一口。んんん!普通ではないか!想像の範囲のど真ん中!!
まあでもおいしいんですけどね。
”本場”という言葉は恐いですね。”本場”が修飾語として付くだけで絶対おいしい!ってなりますもんね。
本場の魔力には以後気を付けなければ。
とまあ、そうこうしている間に完食。
おトイレ行きましょか。とおトイレに。
男女共用で全部個室だったので、そのうちの一つにイン。鍵を閉めます。
用を済ませ、ちゃっちゃとお会計しましょか、と出ようとすると、ドアが開きません。
おっと、カギ閉めたの忘れちゃってた、おっちょこちょいなんだから、と激しく自分を戒め、しっかり鍵を開け、出ようとしました。
あれ、開かねえ。鍵をカチャカチャしますが、開かねえ。
ドアを強めに押しますが、開かねえ。いい加減ここまで開かねえと大沢親分の孫がやってきそうです。
軽くパニックに陥りましたね。もうそれは激しくカチャカチャ鍵をいじくり、ドアをどんどん押しました。カチャカチャどんどんカチャどんカチャどん。
ドアは開く気配がありません。
どうしよう、周りに人いないし、声も届かないだろうし。ひたすら待つしかないのか。とかれこれ15分くらいトイレの中にこもっていました。
体感的には1時間は待ってましたね。トイレの中で暮らそうと決意を決めかけていたその時、別のお客さんがトイレに入ってきました。
我救われり。メシアが私をお導きになられました。
そのお客さんは私がトイレに閉じ込められていることを知るや否や、すぐ店員を呼びに行ってくれました。
まもなく店員がやってきて、外側からカチャカチャしてくれました。
僕はドアノブを押し下げ、ドアを押し続けました。
あれ?あれあれ?全然開かなくね?
2,3分ドア押してるけど開かなくね?
外側で開けようとしてくれているおっちゃんが、ドアが開かないことに次第にイライラしてきます。
とんでもない巻き舌で何やら僕に向かってしゃべっています。ただ、イタリア語なので何言ってるかまるで分からない。致命的すぎます。
おっちゃんの外側からの攻撃も次第にあらあらしくなってきます。何やってるかわかりませんが、すっごい音と振動がします。
ここからまさかのもう3分くらい経ちます。
僕もとうとうここで臨終しようかと覚悟しかけていたその時、ドアが開いたのです!!
ドアの向こうから流れてくる新鮮な空気と、おっちゃんの笑顔は今でも忘れません。
チリの炭鉱に閉じ込められた人が出てきたときって、きっとこういうかんじだったんだろうなあと思いました。
以上ミラノで一番の思い出でした。