パリで事故に巻き込まれるの巻
こんにちは。金絲猴です。
僕1年位前まで留学でベルギーにいたんですけど、まあ旅行しまくったんですね。ベルギーって位置的に最高なので。5ヶ月とちょっとくらいいたんですけど、そのうち1か月は旅行してました。
おかげで単位めちゃくちゃ落としちゃいました!勉強もしっかりしてたつもりなんだけどな、、、つもりで終わっちゃいました。
合計で7か国20都市くらいをめぐったわけですけど、ベルギー以外で一番最初に旅行した国がフランスだったんですね。パリに4日間くらいいたんですけど、その最終日のお話です。
僕はその時、同じ部屋に泊まっていた中国人がくしくも同日に空港に向かうということだったので、パリ市街で彼とともにタクシーを待っていたんですよ。なぜタクシーかというと、空港までの電車がストライキで止まっていたから。
僕は物分かりがいいので、買ってしまっていた切符をMAX握力で握りつぶすだけで済ましてあげましたが、中国人は明らかに苛立ち、雄たけびを何度かあげていました。レッドクリフのワンシーンをみているようでしたね。
そんなこんなでタクシーを待っていたところ、僕たちの目の前に白い車が止まりました。タクシーかなと思って覗き込んだところ、どうやら普通の人の普通の車のようでした。
残念!そうやって僕の中の波田陽区が叫び始めたとき、その車とその車と交差した車がちょっとぶつかり、どんっと音がしました。僕の中の波田陽区の叫びのせいで危うく聞き逃すところでしたが、間違いなく2台の車は音を立ててぶつかりました。
ぶつかってきた車はぶつかったことに気づいたらしく、ぶつかられた車のすぐ近くに停車しました。そしてその車は、中から太ったおっさんを繰り出してきました。
ぶつかられた車の方も気づいたようで、中からスタイリッシュなおばちゃんが出てきました。ブロンドで背が高く、キャリアウーマンって感じの恰好でした。パリでした。
二人が顔を合わせるやいなや、激論が繰り広げられるわけですが、はっきり言って何言っているかわかりません。フランス語ですから。なので勝手にアテレコしてみましょう。
女「ボンジュール、ほら見て、今あなたここにぶつかったでしょう」
男「知るか!私はぶつかってない!これは私がつけた傷ではない!ボンジュール!」
じゃあなんでお前は車から降りてきたんだよ、ぶつかったからじゃないのかと僕が突っ込む暇もなく、
女「じゃあ一体だれがつけた傷なのよ!!」
男「知るか!そんなもん誰かがつけたんだろ!」
女「誰かって誰よ!!言ってみなさいこのハゲ!」
異国の地でもハゲは肩身が狭いのか、と僕はハゲの居場所はもうどこにもないと諦め、育毛剤の導入を検討し始めた。
男「知るか!お前の旦那か誰だろ!」
女「あたいに旦那なんているわけないでしょ!世の中の男なんて全部あんたみたいなや つばっかじゃない、どうせ!」
自分のことをあたいと呼ぶ人なんて初めて見ましたよ、僕は。
男「知るか!お前がそんなんだから、男ができねえんだこのクソばばあ!!!」
女「なんですって!このプリン体オヤジ!!!」
おぉ、おしゃれな悪口!!さすがパリのマダムだ。悪口すらも気品をまとっちゃうねえ。
男「うるせえ!とにかく俺はぶつけてねえ!だから金も払わねえ!」
とまあここらへんまできたところで、マダムが我々の方に突然向かってきたわけですね。まあ、証言を求めてくるのでしょう。
実際、証言を求められました。僕たちはぶつかる音を確実に聞いたので、マダムの側につきました。ただ、ここから警察が来て事情を話してる時間的余裕もなかったので、マダムのノートに車がぶつかる音を聞きました、と書きました。用心深いマダムは中国人の方にメールアドレスも聞いていました。
そうこうしている間にタクシーが来てしまったので、その後どうなったかわかりませんが、まあプリン体が観念したでしょう。
悪いと思ったら謝る、子どもでも知ってることだよ、プリン。
僕たちは無事空港に到着し、彼はドイツへ、僕はスイスにそれぞれ向かいました。
パリではいろいろな所に行きましたが、ネットやガイドブックでわかると観光地よりもこういうハプニングの方がずっと面白いし、記憶にも残るものですね。あれから1年たちますが、いまだによく覚えています。