『候補者たちの闘争』井戸まきえ
こんにちは。金絲猴です。
今回は本のご紹介をしようと思います。
取り扱う本はこちら。
『ドキュメント 候補者たちの闘争 選挙と金と政党』(井戸まきえ)です。
政治を論ずる本って基本的に制度とか、政党とか、理論とかを扱うものが多いですよね。
この本では、その制度とか政党とかが、実際にどのように政治家、候補者に影響しているのか、その実態を、経験者本人が語っています。
著者の井戸さんは県議員ののち、衆議院議員をつとめた人です。浪人経験もあり、候補者が選挙に向けてどのような苦労をしているのかということが、ありありと伝わる本になっています。
とくに、2017年の総選挙は大きく取り上げられています。
この選挙の前には、小池百合子の希望の党が民進党を吸収するという大きな出来事がありました。
この時、候補者はいろいろな苦労を強いられたそう。党内の「排除リスト」の存在や、新たにできた立憲民主党の存在は、もうすぐ選挙を控えた候補者にとっては恐怖でしかありません。もちろんお金の問題だってあります。
政治家になるって、想像以上に大変だなあと思いました。
結局、都議選の時のような風は、希望の党には吹きませんでした。
筆者はこの時の選挙を「異次元総選挙」として、その特異性を語ります。
選挙は、候補者からしてみれば生きるか死ぬかの戦いです。
結果がすべて。
私たちは街頭で演説する候補者しか見ることはありませんが、その裏では、様々な戦いを繰り広げています。
我々の知らないその戦いを、この本は垣間見せてくれます。
また、それだけでなく、政党や制度のあり方などにも踏み込んでいます。
ただ、読んでいて初学者にはあまり向かない本だとは思いました。
税抜き1700円、お買い求めください。